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年間活動報告 演劇理論研究(舞踊)

研究概要 活動報告 2002 2003 2004 2005 2006 2007
T.概要
プロジェクトT「日本における舞踊学の確立」では、各種研究領域における内外の研究動向を把握することによって、舞踊学確立に向けた課題を明らかにすることを目的にしており、今年度は21 世紀COE プログラム設置講座「舞踊美学研究」(前期:担当尼ヶ崎彬)、「20 世紀バレエ史研究」(後期:担当鈴木晶)を開設。さらに国内外の研究者を招聘しての講演・討議、特に実践的研究に着手するために舞踊家、振付家等を招聘しての講演・ワークショップを行い、またCOE 特別研究生を主体とする研究発表会を行った。
プロジェクトU「市川雅ダンスコレクション・アーカイブ構築」では、舞踊学研究に貢献する拠点形成基盤作業を進行中であり、順次ホームページ上での公開・閲覧を目指している。
二つのプロジェクトを通して、多分野・他地域の研究者・学生の充実した研究交流が実現し、一層の成果あ
げるとともに重要な舞踊学研究拠点が形成されつつある。(文責・片岡康子)

■担当者
(事業推進担当者)
  片岡 康子  早稲田大学文学学術院客員教授、お茶の水女子大学教授
(客員教員)
  尼ヶ崎 彬  早稲田大学演劇研究センター客員教授、学習院女子大学教授
  國吉 和子  早稲田大学演劇研究センター客員教授、早稲田大学非常勤講師
(客員研究助手)
  稲田 奈緒美  早稲田大学演劇研究センター客員研究助手
U.プロジェクト別活動報告
1.日本における舞踊学の確立(1) (2004 年度前期)
早稲田大学大学院文学研究科21 世紀COE プログラム設置講座「舞踊学特論3」
講義題目: 舞踊美学研究
担当:尼ヶ崎 彬 早稲田大学演劇研究センター客員教授
舞踊の振付方法の変遷および多様性を下記のテキストを参照しつつ大学院生諸氏とともに研究した。
・ バレエ Annabel Farjeon, “Choreographers: Dancing for de Valois and Ashton”
・ モダンダンス Merce Cunningham with Jacqueline Lesschaeve, “Torse: There Are No Fixed Points in
Space”
・ ポスト・モダンダンス Yvonne Rainer, “A Quasi Sur vey of Some ‘Minimalist’ Tendencies in the Quantitatively Minimal Dance Activity Midst the Plethora, or an Analysis of Trio A”
・ コンテンポラリー・ダンス Norbert Servos, “Pina Bausch: Dance and Emancipation.” Dana Caspersen,
“It Starts from Any Point: Bill and the Frankfurt Ballet
・ 伝統舞踊と創作 Shobana Jeyasingh, “Imaginary Homelands: Creating a New Dance Language”
(文責・尼ヶ崎 彬)
2. 日本における舞踊学の確立(2)(2004 年度後期)
早稲田大学大学院文学研究科21 世紀COE プログラム設置講座「舞踊学特論4」
講義題目:20 世紀バレエ史研究
担当: 鈴木 晶 早稲田大学大学院文学研究科非常勤講師(法政大学教授)
Kathrine Sorley Walker, De Basil’s Ballets Russes、及び原資料を使用して、1932 〜 51 年のLes Ballets
Russes de Monte Carlo の調査発表を行う。
3.日本における舞踊学の確立(3)
日本における舞踊学の確立に向けて、様々な分野から第一線で活躍する研究者を招聘し研究会を開催する。2003 年度は主に理論的研究に従事する研究者を招聘して、講演とディスカッションを行った。
2004 年度は実践的研究に着手するために、現場で活躍する舞踊家、振付家等を招聘して、講演、ディス
カッション、ワークショップを行った。また、COE特別研究生を主体とする研究会を設け、研究発表等を行った。詳細は以下の通りである。

* 2003 年度
第9回 10月7日(火)
・ 講演【身体論と舞踊学】招聘講師:貫成人 専修大学教授
第10回 10月24日(金)西洋演劇理論・舞踊研究共催
特別講義
・ 講演【歩行とダンス/ 動きの型】招聘講師:ガブリエレ・ブラントシュテッター ベルリン自由大学教授
第11回 11月6日(木)
・上記(第9 回)に関わる討議(進行・渡沼玲史)
・ COE 研究生による研究発表:富燦霞(お茶の水女子大学大学院)「京劇戯曲舞踊の表現技法研究」
第12回 11月11日(火)
・ 講演【舞踊とジェンダー】招聘講師:石井達朗 慶応義塾大学教授
第13回 12月4日(木)
・ 上記(第10 回)に関わる討議(進行:サラ・ヤンセン)
・ COE 特別研究生による研究発表:中島奈那子(成城大学大学院)「日本舞踊のレトリック―花柳寿南海の素踊り「都見物左衛門」」
弟14回 2月22日(日)
・ COE 特別研究生による研究発表:渡沼玲史(早稲田大学大学院)「身体論について」、川島京子(早稲田大学大学院)「エリアナ・パヴロバによるバレエ移植〜上演作品について」
* 2004 年度
第1回 5月29日(土)
・ 講演【ダンス+セラピー≠ダンス・セラピー】招聘講師:小林昌廣 京都造形大学教授
第2回 6月17日(木)
・ 上記に関わる討議(進行:渡沼玲史)
・ COE 特別研究生による研究発表:國ア彩(早稲田大学大学院) 修士論文発表「秦豊吉研究 前・東宝期における文芸活動と演劇・舞踊への志向を中心に」

第3回 7月8日(木)
・ COE 特別研究生による研究発表:加藤保子(東京大学大学院) 「サム・キーンにおける身体技法と自己変容」、サラ・ヤンセン(国際交流基金研究フェロー、NYU 大学院)「ダンス・カンパニー ローザスについて」

第4回 7月22日(木) 早稲田大学文学部演劇映像専修・COE 舞踊研究グループ共催 
・ 講演【舞踊と演劇の邂逅 ピナ・バウシュのダンス・シアターにおけるコラボレーションを巡って】 招聘講師: ジャン= ローラン・サスポータス(舞踊家、振付家、舞踊教育家、俳優。ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団ゲストソリスト)、通訳:貫成人 専修大学教授、司会・進行:稲田奈緒美 COE 客員研究助手
・ ワークショップ【舞踊と演劇の邂逅 ダンス・ワークショップ】 招聘講師:ジャン= ローラン・サスポータス

第5回 9月30日(木)
・ 講演【日本舞踊の国際化と教育の普及】 招聘講師:西川箕乃助(日本舞踊西川流)、聞き手:サラ・ヤンセン(国際交流基金研究フェロー、NYU 大学院)
4.市川雅ダンスコレクション・アーカイブ構築
故市川雅早稲田大学大学院文学研究科客員教授より寄贈された、舞踊に関わる洋書約960 冊、和書約750 冊、洋雑誌、ダンス公演プログラム、映像等資料について、早稲田大学演劇博物館が蓄積するデータベース化のノウハウを利用して整理、データ入力を行い、広く舞踊研究者の利用に資するアーカイブの構築を目指している。洋書、和書については、既にデータ入力をすませ、2003 年度より演劇研究センターCOE 特別研究生、教職員、及び早稲田大学大学院文学研究科演劇映像専修舞踊学ゼミ生を対象に、閲覧、貸出を限定的に開始した。さらに、2004 年度には同データベースをホームページ上で公開し、演劇博物館の規定に準じて、一般への閲覧を開始した。洋雑誌の整理、データ入力は現在進行中であり、順次ホームページ上での公開、閲覧を目指す。ダンス公演プログラムについては、2004 年度より整理、
データ入力に着手した。その際、演劇博物館が進める「現代演劇上演情報データベース」への将来の移管を考慮し、同データベースと規格を統一することとした。資料整理のためのアルバイト雇用費用についてはCOE 予算から支出し、データ入力のアルバイト雇用費用については、平成16 年度科学研究費補助金・研究成果公開促進費「演劇情報総合データベース」からの支出を得た。
(文責・稲田奈緒美)

日時 2004年5月29日(土)14:00〜16:00
会場 国際会議場共同研究室(7)
研究会 「ダンス+セラピー≠ダンス・セラピー」
講師:小林昌廣(京都造形大学教授)
今回は、小林昌廣京都造形大学教授をお招きして、「ダンス+セラピー≠ダンス・セラピー」というタイトルで講演をしていただきます。小林先生の専攻分野は、「医学概論・医療人類学・芸術生理学・舞踊身体論・身体美学」であり、現在、第二文学部で「身体文化論」を担当していらっしゃいます。医学、身体論、舞踊をつなぐ興味深いご研究の中から、ダンスとダンスセラピーについて事例を含めながらお話をしていただく予定です。

日時 2004年6月17日(木)17:00〜20:00
会場 西早稲田キャンパス6号館318教室
研究会 COE特別研究生による研究発表
國崎彩(早稲田大学文学研究科博士課程・COE特別研究生)
5 月研究会『ダンス+セラピー≠ダンスセラピー』(講師:小林昌廣京都造形大学教授)を受けての討議

日時 2004年7月8日(木)16:30〜18:30
会場 西早稲田キャンパス6号館318教室
研究会

COE特別研究生による研究発表
加藤保子(東京大学大学院教育学研究科博士課程・COE特別研究生)
「サム・キーンにおける身体技法と自己変容」
修士論文発表
サラ・ヤンセン(国際交流基金研究フェロー、NYU大学院・COE特別研究生)
「ダンス・カンパニー ローザスについて」


日時 2004年7月22日(木)14:40〜16:10(レクチャー)、16:20〜17:50(ワークショップ)
会場 文学部キャンパス33号館第一会議室(レクチャー)
文学部キャンパス36号館演劇映像実習室(ワークショップ)
研究会

ジャン・ローラン・サスポータス 特別レクチャー&ワークショップ
1)レクチャー「舞踊と演劇の邂逅 ピナ・バウシュのダンス・シアターにおけるコラボレーションを巡って」(早稲田大学文学部演劇映像専修主催)参加自由・申し込み不要※通訳あり

2)ワークショップ「舞踊と演劇の邂逅 ダンス・ワークショップ」(COE舞踊研究コース主催)
(スペースに限りがあるため、定員20名とさせていただきます。参加希望者はお早めにお申込みください)ワークショップは定員に達しましたので、締め切りました(7/15) ※通訳なし

内容 ジャン・ローラン・サスポータスさんは、ピナ・バウシュのヴッパタール舞踊団に1979年から1996年まで在籍し、バウシュの作品創造に大きな役割を果たしてきました。フリーになって以降も、同カンパニーのレパートリーには欠かせぬ人として、ゲスト・ソリストとして出演を続けています。(バウシュの「カフェミュラー」で、踊るダンサーの前へ回り込み、椅子をバタバタとどかせ続ける、悲しげな表情をした男性がサスポータスさんです。アルモドヴァルの映画「トーク・トゥ・ハー」の冒頭に同作品の同シーンが挿入されています)
 現在は、ご自身のダンス作品を創作、上演するほか、ヨシ・オイダ氏などヨーロッパ各地の演劇、オペラへ振付を提供し、ダンサーのみならず俳優としても活動しています。また、ヨーロッパ各地でワークショップを開催しています。
 ピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団「バンドネオン」東京公演ご出演のために来日されるサスポータスさんに、上記のようなご経験、ご活動を特別講義としてお話いただき、さらに、ワークショップを開いていただくよう、今回企画いたしました。貴重な機会ですので、どうぞ奮ってご参加ください。


          

日時 2004年9月30日(木)19:00〜21:00
会場 早稲田大学西早稲田キャンパス6号館318教室
研究会 「日本舞踊の国際化と教育の普及」
講師:西川箕乃助氏
聞き手:サラ・ヤンセン(COE特別研究生)
  9月の舞踊コース研究会では、日本舞踊・西川流宗家の西川箕乃助氏をゲスト講師にお招きし、日本舞踊の国際化、教育の普及など日本舞踊のプラクティカルな問題についてお話を伺います。箕乃助氏は、早稲田大学第一文学部演劇専修を卒業後、ロンドンのSOAS,ラバン・センターに留学して国際的な視野と西洋のモダン・ダンスなどを獲得、習得され、現在では国内での公演、教育活動はもちろん、日本舞踊の海外公演や国際交流などでも活躍されています。
 今回は、箕乃助氏が主催する、主に外国人のための「英語による日本舞踊教室」に参加している、サラ・ヤンセンさん(NYCU。現在、演劇研究センター舞踊研究コース特別研究生)に聞き手役をお願いし、現場の視線で具体的なお話をしていただく予定です。

          

日時 2004年12月16日(木) 16:30〜20:00
会場 早稲田大学戸山キャンパス(文学部)36号館283教室(演劇映像実習室)
研究会 12月研究会(ワークショップ&レクチャー)
「身体の発見・技術・創作〜ダンスの新たな可能性」
講師:勅使川原三郎氏
16:30〜18:00 ワークショップ
18:00〜18:30 休憩
18:30〜20:00 質疑応答を中心とするレクチャー

ワークショップ体験:定員20名
(スタジオのスペース上、定員が限られますので、COE特別研究生,早大生を優先して受け付けます。当日は、動きやすい服装で、足は裸足です)
見学:若干名(録音・撮影は固くお断りします)
内容 12月は、コンテンポラリー・ダンスの振付家・ダンサーである勅使川原三郎さんを特別講師としてお招きし、ワークショップ&レクチャーを催すことになりました。
 勅使川原三郎さんは、日本のコンテンポラリー・ダンス界の最前線を走り続けている方で、世界的な評価も高く国内外で活躍を続けていらっしゃいます。勅使川原さんは作品の振付、演出、構成、出演のみならず、美術、照明、衣装、映像などまで手がけられ、作品全体のスケールの大きさ、構成の緻密さ、透徹した美意識は他の追随を許しません。しかしその底流には、「身体」「ダンス」への真摯な問いと、絶え間ない挑戦があります。
  今回、COE舞踊研究グループでは勅使川原さんをお招きして、舞踊作品のαにしてωである「身体の発見」をテーマにワークショップ&レクチャーを開催す
ることになりました。
 形式については、勅使川原さん側と打ち合わせを重ね、まず、ワークショップで実際に体験してもらい、その後に参加者との質疑応答を中心とするレクチャーを行うことにしました。ワークショップ参加者には、舞踊経験や高い運動能力などはまったく必要ありません。身体に興味のある方、自分の身体と対峙し、発見したいと考えている方、積極的に質疑応答に参加する意欲のある方を歓迎します。また、見学も可能です。

日時 2005年1月20日(木)16:00〜18:00 
会場 国際会議場共同研究室7
研究会 COE特別研究生による研究発表
水田佳穂(早稲田大学博士課程2年・COE特別研究生)
題目「大正の藤蔭會の舞台」

日時 2005年2月7日(月) 13:00〜18:30 
会場 早稲田大学国際会議場 第三会議室
研究集会

テーマ「舞踊にとって振付とは何か〜舞踊の根幹を探る」
早稲田大学演劇博物館21世紀COEプログラム演劇研究センターは創設から二年が過ぎ、折り返し地点を迎えます。そこで舞踊研究グループでは、様々な研究を横断してきた今までの活動を総括し、かつ、今後の研究へ向けた課題を明確にするため、日本演劇(歌舞伎・日本舞踊)研究グループとの共催により研究集会を企画しました。
◆テーマ◆
今まで様々に研究会を企画、運営してきましたが、日本舞踊研究と洋舞研究、歴史研究と理論研究など研究対象、方法の違いが円滑なコミュニケーションを阻む傾向があるように見受けられました。そこで舞踊研究者がジャンルにも研究手法にも関わらず関心を持てるテーマであり、かつ舞踊学の核心に迫るものとして、「舞踊にとって振付とは何か〜舞踊の根幹を探る」を設定しました。基調報告をお願いしました尼ヶ崎氏、國吉氏のテーマは下記の通りです。

◆運営方法◆
尼ヶ崎彬、國吉和子両氏の基調報告を受けて、この2年間に研究会ゲスト講師として招聘した先生方に討議を推進していただきながら、舞踊研究グループ、日本演劇(歌舞伎・日本舞踊)研究グループCOE特別研究生、その他が活発に意見を交換できるように、ラウンド・テーブル形式のディスカッションを行います。

◆第一部◆13:00〜15:30
「振付けない振付家たち」
基調報告:尼ヶ崎 彬(21世紀COE演劇研究センター客員教授、学習院女子大学教授)
基調報告を受けての討議:司会 片岡 康子(早稲田大学大学院文学研究科客員教授、お茶ノ水女子大学教授)
参考文献・尼ヶ崎彬著『ダンス・クリティーク』勁草書房、2004「生成モデルと編集モデル〜振付けない振付家たち」

◆第二部◆16:00〜18:30
ケース・スタディ《次代を担う振付家の発掘〜トヨタ・コレオグラフィー・アワード》
基調報告:國吉 和子( 21世紀COE演劇研究センター客員教授)
基調報告を受けての討議:稲田 奈緒美(21世紀COE演劇研究センター客員研究助手)

◆討議参加者◆
21世紀COE演劇研究センター特別研究生、準研究生、その他
舞踊研究会招聘講師として関っていただいた以下の先生方
吉川周平 京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授
貫 成人 専修大学文学部教授
外山紀久子 埼玉大学教養学部教授
西川箕乃助 (社)日本舞踊協会参与、日本大学非常勤講師

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