日時

2006年11月10日(金)14:40〜16:40

会場早稲田大学大隈記念タワー(26号館)3階会議室(302)
主催演劇研究センター
日豪交流年「ドラマチック・オーストラリア」
シンポジウム

文化を越える演劇
初演のコンテクストと翻訳上演のコンテクスト

パネリスト:和田喜夫(演出家)
ピーター・エッカサール(メルボルン大学)
吉原豊司(翻訳家)
司会:佐和田敬司(早稲田大学)

※入場無料・予約不要

内容このシンポジウムは、日豪交流年「ドラマチック・オーストラリア」と、早稲田大学21世紀COE演劇研究センターの共催で行われる。
「ドラマチック・オーストラリア」では、ウェスリー・イノック作・演出による楽天団公演『クッキーズ・テーブル』が上演される(11月8日より)。これは、オーストラリア先住民演劇の旗手であるウェスリー・イノックが、自分の書いた戯曲を、日本語の翻訳を用いて、日本の役者に対して演出をするものである。しかも、戯曲は権威あるパトリック・ホワイト賞を受賞しているが、日本での公演がプレミア上演という、ユニークなものである。この舞台をおもな題材として、また今日、上演されている翻訳劇をも含めて、文化を越える翻訳の可能性と限界について議論する。
初演のコンテクストと翻訳上演のコンテクストは、大きく変化する。先住民演劇である『クッキーズ・テーブル』のような作品が翻訳され、オーストラリアのコンテクスト以外の場所で上演された時、初演時の政治性は失われる。そのことをどう考えるべきか。また、作品が新たなコンテクストに置かれた時、どのような可能性が生じるのか。そしてそれは、翻訳上演された場所(この場合は日本)に、どのようなインパクトを与えうるのか。『クッキーズ・テーブル』の上演に携わった演劇人、これまで多くの舞台翻訳に携わってきた人々、日豪の現代演劇を専門とする研究者をパネリストとして、このような問題を議論する。